夜明け前の 乳しぼり まだ 温い 湯気 銅鍋の うねり 木杓子の 音が 台所に 溶けて 眠気を やさしく 連れ出します。 牧草の 匂いが 戻り 乾いた 手が 乳を 抱き 穏やかな 凝固を 見守り 伸びゆく 日差しと 共鳴し 今日の 役割へと 一歩ずつ 背中を 押します
朝の 列車は 谷の 影を ゆっくり ほどき 駅前の 広場へ 人々の 声と かごを 運びます。 小道に 落ちる パンの 香り ハーブの 束 魚の 氷 花の 露が ひとつの 物語に なって 並び 目が 合えば 挨拶が 生まれ その日の 必要と 余白が 穏やかに 整います